マカロニほうれん荘 三巻 鴨川つばめ 爆笑コミックス 秋田書店
(この漫画は、堀さんに教えていただきました)
冬の季節に蟻たちが濡れた食糧を乾かしていました。蝉が飢えて彼らに食物を求
めました。蟻たちは彼に「なぜ夏にあなたも食糧を集めなかったのですか。」と言いま
した。と、彼は「暇が無かったんだよ、調子よく歌っていたんだよ。」と言いました。する
と彼はあざ笑って「いや、夏の季節に笛を吹いていたのなら、冬には踊りなさい。」と言
いました。
この物語は、苦痛や危険に遇わぬためには、人はあらゆることにおいて不用意であっ
てはならない、ということを明らかににしています。
(イソップ寓話集 岩波文庫 山本光雄訳)
Q: アリとキリギリスの原典はなんていうの? |
A: ギリシア語の原典は、「蝉と蟻たち」です。 セミのいない地域では、セミがキリギリスなどに置き換えられました。 日本でも、戦国時代イエズス会の宣教師が持ち込んだ、「エソポのハブラス」などでは、 「セミ」だったのですが、明治以後は、英語のイソップ寓話集が数多く訳されたので、 「キリギリス」となりました。(イギリスにはセミはほとんどいない) |
Q: アリとキリギリスの本当の結末は、アリがキリギリスを食べてしまうの? |
A: アリがキリギリスを食べてしまう話はありません。それは、一 種の都市伝説のようなものです。 |
Q: 冬に、アリがキリギリスを助けてあげる話は、日本にしかない の? |
A: 第二次世界大戦後、日本では、「アリがセミを助けてやる」という話が数多く作られました。それは、 訂正 2017年 3月8日 |
戦後(1945年)〜1997年4月に出版されたイソップ寓話 107冊 アリがキリギリスに食べ物を分けてやらない話 (65冊) 食べ物を分けてやる話 (31冊) 食べ物をやったかどうか判らないい話 (11冊) |
上を、年代区分する。 戦後(1945年)〜1979年に出版されたイソップ寓話 69冊 アリがキリギリスに食べ物を分けてやらない話 (37冊) 食べ物を分けてやる話 (27冊) 食べ物をやったかどうか判らない話 ( 5冊) |
1980年〜1997年4月に出版されたイソップ寓話 38冊 アリがキリギリスに食べ物を分けてやらない話 (28冊) 食べ物を分けてやる話 ( 4冊) 食べ物をやったかどうか判らない話 ( 6冊) |
資料: アリとキリギリス セミとアリ 107冊 |
セミとアリ」から「アリとキリギリス」への変遷
タイトルと挿し絵の違いがとても面白いです。
新説、セミの挿し絵はハエである
伊曽保物語のセミの挿し絵について
アリとキリギリスによる文化比較の問題点
天草版と古活字版の違いが隠蔽されていることについて
「アリとキリギリス」を巡っての日本人論
比較文学の立場から、「アリとキリギリス」について
「蝉と蟻たち」と「蟻と甲虫」
非常によく似た2つの話から、寓話の「型」について